unfinished store
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古い長屋のうち一軒を菓子雑貨店に改修する計画である。
クライアントからは古い長屋の風情を残すことと、僅かな予算が提示された。
まず、居住用に作られた長屋をお店として街と接続させるため、前住人によって作られた目隠し用の花壇を撤去し、人が集えるベンチを置き、室内は手前の三畳間を土間に変更した。
そして、傷んだ仕上と前住人によって貼り増された仕上は一度撤去することで長屋を健やかな状態に戻した上で、新たな仕上については、あえて’仕上げない’こととした。
床はモルタル土間のまま、壁は塗装下地材、天井は野縁あらわしといった下地の状態で留めることで既存建物の成り立ちと履歴を浮び上がらせると同時に、店舗に陳列されるたくさんのお菓子や雑貨と来客者のふるまいも浮び上がり、それ自体が仕上となる空間を目指した。
renovation a row house to a store.
I removed additional finish and I added no finish. Original finish is the best. The goods of the store and the behaviors of staffs and customers must be conspicuous in the unfinished store.