中学校エントランスの改修プロジェクト
renovation a high school entrance hall

















versaTILE
中学校エントランスの改修プロジェクト。学校建築の主役は生徒であり、また教室と異なり特定の機能を持たない大空間では、彼らの様々なアクティビティ(勉強、飲食、語らい)とその痕跡(貼紙など付加的な改変)が引き立てられるよう、空間が寛容な背景となるようにデザインした。
このエントランスを最初に訪れて気になったのは、空間の中央に鎮座した4本のタイル貼り列柱。元々、大学であったことと時代的背景からやや権威的な存在であり、空間を行儀良く使うことを強いているように感じた。
列柱を新しい材料で覆い、その存在感を消去することは容易だが、一方でタイル貼りの列柱と壁が生み出す空間の記憶まで消し去ることが、毎年卒業生を送り出す学校建築のリノベーションとして適切な手法とは思えなかった。
そこでまずタイル貼り列柱を模したファニチャーを空間のいたるところに点在・展開させて、既存列柱の存在感を「相対化」し空間の背景へ馴染ませ、一方でタイル貼り空間の記憶は「最大化」させた。
ファニチャーは特定の使い方を示唆しない単純な箱状として、様々なアクティビティを許容し、生徒が3年間の中で使い方を発見してもらえるようにした。ブラケット照明と採光拡散カーテンもタイルデザインを模し、空間の背景に属させた。ファニチャー天板やカーテン下部のステッチなどのレインボーカラーも目立たせず、3年間の中でいつか気づく仕掛けとした。
エントランスに静的な雰囲気を生み出していたタイル=tileを、多様な形、多目的、多用途=versa-tileな背景へ発展させた。空間の背景は生徒たちが日々過ごす中で風景となり、彼らの様々なアクティビティで満たされた情景が生み出されることを狙った。
photos:Susumu Tanji
movie, tabletop detail and workshop photos:C&B Limited
maquette and before renovation photos:nLDK

before the renovation
